最近、ふと疑問に思ったのだけれど 
あたしが触れた時 景吾の手が何時も冷たいのはどうしてだろう? と

何時もそう、 ああ でもさすがに冬は違ったけれど

でも景吾の手は何時も冷たいの 暑い時は心地良いほどに

行為の時には その指先が触れるだけで

あたしの体は跳ねるというのに


何時も何時も気になっていた その事を 今日は聞いてみることにした


なんとなく 今日の景吾は機嫌が良い感じがするから

何でも答えてくれそうな気がするの


「ねー?景吾ー」

彼の部屋のベッドに寝転がりながら あたしはデスクに座って仕事をしている彼を呼んだ

「何だ?」

低い でもキレイな良く響く声で答える景吾 

でも視線はまだ机の上で



それにほんのちょっぴりだけ悲しくなって 返事を返さなかったら

心配してくれたのか 優しげな眼差しで見つめてくれる景吾


そして

いじっぱりなあたし

景吾にこっちに来て欲しくて わざとそっぽを向く

遠くで小さく溜息が聞こえたかと思うと 

あっという間にあたしの目の前まで来た景吾


 ねぇ?しゃがんで覗き込むのは反則よ?

そんな事を思っていると








もう一度 今度はあたしにしっかりと視線を合わせて










「どうした、?」

















そしてあたしは満足げに微笑むの

「んーん、ちょっと気になっただけ…」

あたしの微笑に 景吾は不思議そうに問いかけて


「何がだ?」

そう言った景吾に にっこりと笑んでから 
彼の手にそっとあたしの手を伸ばして
ぎゅっと 握り締める

「…景吾の手、何時も冷たいの…知ってた?」

「いや、知らねぇな。そんなの考えたことも無かったしな」

そっと 景吾の手をあたしの頬まで持ってきて 
景吾の細長い指先に撫でてもらう

「…何で神様は景吾の手を冷たくしたのかなー…?」

ぽつり と呟いたあたしの言葉に 景吾はククッと笑みを零して

「さぁな?あえて言うならお前の所為じゃねぇのか?」

何時もの ニヒルな笑みを向けられても 言葉の意味が分からなくて

「・・・どーいう意味・・・?」

「だって、…お前の体は何時も熱いじゃねぇか…。ヤってる時は特に、な?
 そんなお前を冷やすために…お前の言う神様は、俺の手を冷たくしたんじゃねぇの?」


 ねぇ…そんな優しい瞳で言わないで 
      
 全てとろけ落ちてしまいそう


「…それじゃあ、テニスやってる時も冷たいの…?」

「それは相手次第だな」


楽しそうに答える景吾を見てると

何だかキスを落としたくなった




















  絡めた指の先の 

  やんわりとした冷たさは
 
  これから始まる夏の
 
  あたしだけの 特効薬


















































2つに絡めた指先を、
ねえ、ずっと離さないで





















-------------------------------------------------------
跡部の手は冷たいと思います。んで心が暖かいの。(笑)
お題提供:Dark Strawberry様 (閉鎖)