嘲笑うのが、心地良かった 

背後から直に伝わる快感の波がぞくぞくと押し寄せる 

騙されている事に気づかない 可愛い可愛い目の前の 

嘘と矛盾で塗り固められた壁に触れて、彼女は暖かいと言った 

俺に触れて、暖かいと 

けれどそんな綺麗な言葉だけじゃ既に満足なんか出来やしない 

欲しいのは、この心臓まで揺るぐ程の確かな熱と背徳 

俺が煽られるのは、それのみ だった筈だ

何時からこんな事を思うようになったのか

中途半端で眠れない。薄暗い夜に蘇るのは何時だっての事で











俺らしく無い、こんな風に思うのは









そっと手の先に居るの頬に触れた 

眠っているから漏れる吐息がやけに静かな部屋に響く 

時折揺れる睫が窓から見える月の僅かな光を反射して煌めいた 

それは涙の滴が睫に掛かっているようにも見えた 

否、の口元は緩やかな曲線を描いていて 

瞬時の何時もの笑顔が脳裏を掠めては、消えた 


















「愛しとうよ…」


























どうか、俺の嘘に気付かないままで居て

一瞬だけ堕ちた涙に、どうか
























もしも昨日が

また来るのなら


(何時もの俺で会えたら良い)
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仁王の初恋はこんな感じ、だといいな。
初恋って言ってもアレですよ、初めて本気で好きになった的なね!(笑)