「…っは…あ…、ゆう…し…んっ…」


侑士はあたしの事どのぐらい好きなの、とあたしが問いかけたのはほんの数分前の事。
いつも侑士ばっかりあたしをからかう仕返しの、悪戯のつもりだった。
そう、まるで小さな子供の所作の如く。その腕を振って大きさを示してくれるような
可愛いのを予想していたあたしの期待は見事に裏切られてしまった。
目の前の、忍足侑士というあたしなんかより何枚も上手な男に。

「分からんの?俺がどんだけを愛しとるか」

「うん、分かんない。だからどのくらいか教えて?」

行き成り真剣な瞳で、何処か色っぽくて、下手なモデルよりよっぽど艶やかにも映る眼差しに見つめられる。 そうすると何時も心臓がショートしそうなくらいの衝撃が走るのだ。勿論今だって例外じゃない。
気を抜けば全て見透かす事が出来そうな目でじっと見つめられてると思うと、魔法使いに呪いを掛けられたみたいに動けなくなる。 でも折角の侑士を弄る事が出来るかもしれない機会。好奇心猫を殺すとは言うけれど、やっぱり1回は挑戦してみたくて。 自分でも少し恥ずかしくなるような大人びた口調で聞き返した。
そうしたら侑士は、ふうんと一息零した後ににやりとその口端を上げて読んでいた本を放ってベットの上にいたあたしの方に近づいてきた。 その女の子みたいに綺麗な、でも男らしさも感じられる手を真っ直ぐにあたしの頬へと伸ばす。

「なら教えてやるさかい、暴れるんやないで?」

低く甘い声で囁かれればきっと肯定の言葉以外返す事なんて出来ない。
そんな滑稽な考えすら浮かんでしまうくらい、あたしは侑士の声が好きで。
ちゅ、と一度耳たぶにキスを落とされればそれが徐々に下へと下がっていくのが分かった。
首筋に、少し開いていた胸元に、二の腕に、太ももに、キスの嵐が落とされる。
恥ずかしさからやめて、と叫んだ時には侑士はあたしの足元に居た。

「…教えて欲しい、ゆうたんはやろ。自分の言葉に責任位持ち?」

それは言ったけどここまでしてほしいなんて言ってない!
あたしの制止なんかまるで聞かずに侑士はそのままあたしの足にキスを落とした。
そして、黒いペディキュアが塗られている指を口に含めばその舌で丹念に舐め始めた。

「ちょっ、侑士…!汚いから…っあ!」

慌てて止めさせようとすれば、侑士の舌が丁度くすぐったい部分を探り当てて思わず声が洩れる。
その声に満足そうに笑めば侑士は、ええから黙って感じとき、と足への愛撫を再開した。
くちゅり、と厭らしい音が出る程に丁寧に舐める侑士。
侑士とは何回も行為をしているけど、こんな事をされたのは初めてで。
足にも性感帯があるんだ、なんて感じてしまう自分が飛んでしまいそうに恥ずかしくて顔が真っ赤になる。

「は…ゆ、し…もう、分かった…から、っ…」

一刻も早くこの時が過ぎて欲しくて、二度目の制止を掛ければ、侑士は下げていた顔を上げあたしを見つめた。
唇に煌く侑士の唾液が酷くエロティックで、艶やかだった。そしてそれを腕で拭った侑士の腕も、その動作全部。
思わず見とれてしまっていたあたしに侑士は顔を近づけて、またあたしの大好きなあの声で囁いた。

「愛しとるよ、

その後すぐにされたキスはいつものより深くて甘くて、幸せなものだったけれど。






(これで分かったやろ、?俺がこんな事するぐらいを愛しとるって)
(…こんな事して欲しかった訳じゃなかったのに)
(何か文句でも?)(いや、無いです!)
(て、ゆーかそういえば侑士あたしの足舐めた口でキスしたんじゃん!)
(綺麗やったから別にええやろ?)
(いやー、さいあく!侑士のばか!)(…コイツほんまに犯したろうかな)





 How much do you love me?

  (愛してるの言葉じゃ足りないくらい、愛してる!)





お菓子食べながら書くお話じゃありませんでした。あちゃぱ(´・ω・`)