今日、席替えがあった。
何でこんな微妙な時期に行き成り?!って凄い皆吃驚してたけど
あたしは一人で悲しんでいた

だって 今あたしの席の隣にいるのは最愛の彼氏

宍戸亮なんだから


チラリと横目で見てみると いかにも興味ないって顔で黒板を見つめてる
まあそんな能天気で可愛い所を好きになったんだけど。


先生の「順番にくじを引いて各自の場所に座ることー!」って言葉に

あたしより出席番号が早い宍戸はダルそうに立ち上がってさっさと移動してしまった
きっと宍戸はこんな事は気にしないのだろうけど
女の子にとっては一大事。
特に美人さんのちゃんの隣なんかになられたら
いくら宍戸でも 落ちちゃうかもしれない。


そんな不安で胸がいっぱいになりながらも あたしは恐る恐るくじを引いた

紙を開いたら書かれた数字は 29番  なんだかとっても微妙な数
もう出てきた数の時点でなんだか不安が増したのだけれど

あたしはゆっくりと移動し始めた
黒板を見ながら移動してると なんだか宍戸の席に近づいているみたいで
自分の席に辿り着くと 隣にいたのは愛するダーリン









「なんだ・・・、また隣かよ」


ぶっきらぼうに言って向こうを向いた彼 耳が微かに赤くなっているのをあたしが見逃す訳も無く

クスリと笑って あたしは最高の席に腰を下ろした







ああ、やっぱり隣の席って最高
宍戸との授業中の小話とか そんなものが無くなっちゃうかと思ってヒヤヒヤしたから
凄く嬉しかった 只嬉しかった。
 














放課後 今日は彼と一緒に帰る約束をしていた日

部活へ行こうとする宍戸は 支度をしながらあたしを見ずに言った

「あ、ー・・・悪ぃけど今日の約束無理そうだ・・・。跡部が練習を延長するって言い出してな。」

はぁーっと溜息を吐いた彼をあたしは凝視して

「え?!本当にー・・・?あーあ・・・楽しみにしてたのになー・・・」

わざとらしく大きな溜息を吐いてみると 彼はいかにも不機嫌そうにあたしを見た

「しょうがねえだろ?俺だって予想とかしてなかったんだからよ・・・」

瞬時にあたしは 怒らせちゃったかな? って不安になった

まさかここまで不機嫌になるなんて思わなかったから あたしは言葉が出てこなくて

「・・・俺、もう部活行くぜ?遅くなりそうだからさっさと帰れよ・・・」


ずっと俯いてたら 宍戸はゆっくりと扉へと歩き始めた

そんな彼の背中を目で追うと なんだかちょっぴり泣きたくなった

















きっとこのまま行っちゃうんだろうなって思って

せめて少しでも 背中でもいいから宍戸を視界の中に入れておきたくて

ずーっと見ていたら 見えなくなる瞬間に

宍戸が チラリとあたしの方を見た














宍戸が見たのがあたしかどうかは知らないけど

本当に一瞬だけだったけど

少し気にしてくれたのかなって 凄い嬉しくなった

怒ってたのなんか 忘れた

不安になったのも 忘れた















思考が全部 宍戸でいっぱいになった

















ねえ、宍戸?
あたしやっぱり宍戸にベタ惚れみたい

だって 視線が合うだけで

こんなに幸せになれるんだもん

















さて、宍戸を待ってよーっと。
愛するダーリンを一人で帰らせるわけには・・・ね?

あたしは 一人になった教室でニヤけながら そう思った。























ぶつかった視線、絡まった想い


(ねえそれだけであたしは、幸せよ?)
















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微妙に夢じゃないような気が・・・!
ほのぼの、って良いですよね!(自分で自分を励ましてみる)